また審判買収疑惑


〜アジア杯サッカー・
反日ブーイングの意味

(Aug. 04, 2004)

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■また審判買収疑惑〜アジア杯サッカー・反日ブーイングの意味■
要するに、中国は優勝したいのだ。
04年アジア杯サッカーで開催国・中国は、中国人観衆の反日ブーイングと審判の偏向判定によって、優勝候補の日本を、決勝戦で中国と対戦する前に敗退させようと画策したが、みごとに失敗(大ピンチ)。

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■また審判買収疑惑〜アジア杯サッカー・反日ブーイングの意味■

要するに、中国は優勝したいのだ(日中間の歴史問題はあまり関係ない)。

実力もないくせに「誤審」のお陰で、02年W杯サッカー本大会でベスト4になった開催国・韓国が公式にはなんの非難も受けなかったので(小誌Web版02年6月13日が「韓国対ポルトガル」戦の前日に、翌日の不正判定を予言して的中)、それを手本にして、04年アジア杯サッカーでも開催国・中国が、中国人観衆の反日ブーイングと(中国が賄賂で買収した?)審判の偏向判定によって、優勝候補の日本を、決勝戦で中国と対戦する前に敗退させようと画策した。

 

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ところが日本代表は、決勝T(トーナメント)対戦相手のヨルダンやバーレーンと違って、W杯本大会や欧州での国際経験が豊富な選手が多く、その程度の小細工では負けないので、どんどん決勝Tを勝ち進み、とうとう8月7日の決勝戦で中国と当たることになった。

 

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決勝戦になるとFIFA(国際サッカー連盟)の幹部が視察に来るだろうし、主審も欧米豪の、生活水準の高い国から選ばれる可能性が高く、そうなると賄賂が効かないので、2点差以上で日本が勝っても不思議ではない。

 

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もし主審がアジアや中南米の小国から選ばれるなら、日本は苦戦する。

が、代表選手の選考に「身長180cm以上」などと意味不明の基準を持ち込み、司令塔もろくに育てられないサッカー後進国が、審判を買収せずに02年W杯でベスト16になった「アジアの強豪」に勝つのは難しい。主審が中国に買収されている場合は接戦になるが、接戦になると日中間の国際経験の差がモノを言うので、中国が優勝する、という計算は、中国の国家戦略としては立てられないのではないだろうか。

 

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【たとえ主審への賄賂が効いて中国が04年アジア杯で優勝したとしても、それで06W杯に出場できるわけではないし、世界のサッカー界での発言力が高まるほどW杯本大会で勝てると保証されるわけでもない(アジア杯はW杯の予選ではない)。

 中国にしてみれば、02年大会は韓国、10年大会は南アフリカ、と相次いで「格下」の、有色人種の小国がW杯サッカー本大会の開催権を獲得したので、「生意気だ」と感じて、「アジア杯優勝を契機に近い将来のW杯招致を」ともくろんだのだろう。が、以下の理由により、中国はかなり不正な方法を使わない限りアジア杯で優勝できないので、この招致作戦は妥当とは言い難い。】

 

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中国は、北京語をしゃべる北京出身者が北京出身者を「ミス中国」や「サッカー中国代表」に選ぼうとすると、ふだん私生活で別の言語をしゃべっている広東省や上海の出身者がいちいち「えこひいきするな」「(選考基準を)数字で示せ」と激昂するような、「分裂性国家」である(というより、心理的に国家として統合されていない多言語世界である)。このため、中国は、サッカー先進国になることも、真の統一国家になることも、半永久的に不可能だ(中国は、世界で唯一、美人コンテストの結果を報じる新聞記事に、出場者全員の平均身長や平均スリーサイズ……言わば「偏差値」……が載る、摩訶不思議な国である。つまり、審査員が「おまえがAよりBが美人だと思う根拠はなんだ? 数字で示せ」と問われる国なのだ)。

(^^;)

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【国民が中国共産党の一元的(独裁的)指導のもとにある中国では、統一的、数字的な基準のもとに13億の巨大人口のなかから人材を集めるのは極めて容易だ。たとえば「身長190cm以上、100m走12秒以下、年齢18歳以下の男子選手を集めて来い」という司令が全国の共産党支部や地方行政機関に発せられれば、それに基づいてバスケットボールやバレーボール(や陸上)の選手になるべき人材(素材)を集めることができるので、それらの種目で中国代表チームを強化することは、かなり円滑にできる。また、水泳の飛び込みや器械体操などでも、遺伝的に三半規管の発達した、平衡感覚に優れた人材を、簡単な all or nothing の「平衡感覚テスト」で選抜できるので、全国(13億)から人材を集めやすく、これらの種目でも中国は強い。

 ところが「サッカーのうまいやつ(司令塔になれるやつ)集めて来い」という司令は、中国共産党の各支部や地方行政機関にとっては非常に難しい司令であり、国民のあいだに「代表選手の選考は専門家に任せよう」という国民的合意(国家的一体感)がない場合は、絶対に実行できない司令である(だから、サッカーの中国代表選手は「身長180cm以上」などという「バカでもわかる基準」で選ばれ、MFに司令塔がいない。トルシエ前日本代表監督は、02年W杯の日本代表にMF中田英寿を選び、MF中村俊介をはずしたが、もしこれが中国なら、たとえば中田が北京、中村が地方の農村部の出身なら、たぶん中村の故郷で暴動が起きる)。したがって、人口が何億人いようとも、国家の構造が変わらない限り……たとえば「分割民営化」によって、広東省や旧満州が独立国にでもならない限り……中国人が世界のサッカーで主導的地位を占めることはありえない。】

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欧州のサッカーの試合では、アウェイのチームが観衆から厳しいブーイングを浴びたり暴動が発生したりすることも珍しくない。イタリアの一流リーグ「セリエA」のレジーナに在籍している04年アジア杯日本代表の司令塔・中村が、中国人の「反日ブーイング」ぐらいでプレッシャーを感じてへこむ、と思っているのなら、中国のサッカーファン(を、日頃の「反日教育」に基づいて非公式に煽動した中国共産党)は、まさに「バカでもできること」しかしない「井の中の蛙(かわず)」だ。

 

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中国という国家(?)の、想像を絶する分裂構造については、拙著『龍の仮面(ペルソナ)』を参照。

 

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 (敬称略)

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