最強と一流の違い


〜球技の五輪代表にスターは不要?

(Aug. 05, 2004)

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■最強と一流の間〜球技の五輪代表にスターは不要?■
一流選手の「即席寄せ集めチーム」より、長期間の合宿でチームワークを固めた二流選手集団のほうが強いことが、04年欧州サッカー選手権(EURO 2004)のギリシャ代表と、00年シドニー五輪野球の米国代表の優勝によって証明された。

 

 

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■最強と一流の違い〜球技の五輪代表にスターは不要?■

【臨時増刊「また審判買収疑惑〜アジア杯サッカー・反日ブーイングの意味」は → こちら

【前回「ストは的外れ〜シリーズ『球界再編』(3)」は → こちら

 

前回、筆者はオリックス・近鉄の球団合併問題に端を発する「球界再編」について、かなり辛口の発言をした。筆者はこの問題について発言する資格があると自負しているが、それは、生半可な「野球通」よりはるかに深くこのスポーツを理解しているからだ。本日はその証明を。

 

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04年アテネ五輪野球の日本代表24名(サンスポWeb版04年6月24日)に、何人かの、プロ野球の一流スター選手が選ばれていないことを批判する「野球通」が少なくない。『週刊文春』(04年7月8日号 p.p 154-155「五輪代表最強メンバーリスト〜長嶋監督の代わりに勝手に選抜」)や小倉智昭キャスター(04年6月24日放送のフジテレビ『とくダネ!』)は、松中信彦一塁手(ダイエー)(04年8月4日現在の04年プロ野球公式戦成績、打率.350、本塁打35本)、古田敦也捕手(ヤクルト)(.353、14本)らが選ばれなかったことを残念がり、産経新聞の近藤義之・編集委員も、04年ペナントレース前半で好調の阿部慎之助捕手(巨人)(.294、27本)、中島裕之遊撃手(西武)(.297、20本)らも選びたいと「わがまま」を言う(産経新聞04年5月21日付朝刊23面「思うまま」)。

 

たしかに彼らは日本のプロ野球には詳しいのだろう。が、五輪など国別対抗の「代表戦」という、日本シリーズともまた違う、特殊な「短期決戦」については何もわかっていないようだ。

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●マイアミの奇跡●

96年アトランタ五輪サッカーの日本代表は、五輪のルールにより原則23歳以下の選手で構成されるものの、3人だけは23歳を超える年齢の選手を入れる「オーバーエージ(OA)枠」が許されていた。

 

日本は、MF中田英寿、MF伊東輝悦、FW城彰二、GK川口能活ら当時の若手Jリーガーで五輪代表を編成したが、OA枠を使わず、国際試合経験の豊富なA代表のスター選手、三浦知良、井原正巳らを招集しなかった。

 

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日本の予選L(リーグ)初戦の対戦相手、ブラジルの関係者は戦前この事実を知って驚き、

 

「日本は勝つ気あるのか」

「サッカーを、ブラジルをなめてるのか」

 

などと口走った。

ブラジル五輪代表は当然のようにOA枠をすべて使い、A代表からベベト、ロベルト・カルロスら(当時の)一流スター3選手を招集していたからだ。

 

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結果は日本の勝ちだった。世界一のサッカー大国が驚いたのは言うまでもない。

 

が、これは、まぐれではない。

五輪代表の西野朗監督は「ブラジルといえどもミスをするときはあるし、それを適切な戦術で突けば得点できるし、得点したら守り切れば勝てる」と考えていた。そして、若手Jリーガー多数を長期間自分の監督下に置き、自身の思想と「勝てる戦術」を理解させた。

 

この「若手」たちは、10代からJリーグのユースチームなどで育てられて来た「Jリーグの寵児」であり、そのサッカー人生の大半はJリーグ、つまりプロチームでの経験にある。このような若手の集団に、彼らとまったく異質な「育ち」のA代表選手がOA枠で加わると、どうなるか?

 

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当時A代表のスター選手だった井原などの場合、そのサッカー人生の大半はJリーグ発足以前の、アマチュアとしてのキャリアにすぎない。三浦は10代でブラジルに渡って、当地のプロサッカークラブでプレーした経験があるが、Jリーグで「一流プロの卵」として育成された経験がない点では井原と同じだ。とくに、井原などの「本来アマチュア」の選手には「どうせ日本がブラジルなど一流国のプロ選手に勝てるはずはない」という負け犬根性が潜在意識の奥深く染み込んでいる可能性があり、西野の思想や戦術を心底理解させるのは容易ではなかろう。井原や三浦を加えると、若手の「和」が壊れる、と西野は判断し、OA枠を使わないと決断した。

 

対するブラジル五輪代表は、長期合宿で若手のチームワークを完成させていたところへ、五輪直前になって「さらに戦力を強化するため」にOA枠でスター選手3人を加えた。

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が、多数派の若手選手たちとまったく異なる年俸や待遇で生活する彼ら3人は、短期間の直前合宿ぐらいで容易に五輪代表チームに溶け込めたのだろうか。結局、ブラジル五輪代表は真に一体化することもチームワークや「和」が確立するとこもないまま、「ベベトのような一流選手がいるんだから、サッカー後進国との試合には簡単に勝てるだろう」という安易な思い込みで日本戦に臨んだ。

 

当然のように選手間の連携が乱れた。そして後半27分、城のシュートを防ごうとしたブラジルのGKとDFが激突して転倒し、ブラジルゴールをがらあきにする、という失態を演じ、先制点を奪われた(得点者は、最後に少しボールに触れた伊東)。その1点を奪うと、日本は予定の戦術に従ってFWもMFもほぼ全員後ろにさげて守備を固めたので、その堅固な守備の前に、ブラジル攻撃陣はシュートミスを繰り返し、とくにベベトは何度も天を仰いで顔を覆い、以後約20分間なすすべもなく敗れた(マイアミのオレンジボウル・スタジアムで行われたので「マイアミの奇跡」という)。

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●ギリシャの奇跡●

ギリシャは04年6月まではFIFA(国際サッカー連盟)の国別ランキング(35位)が日本(23位)より低い、欧州のサッカー後進国だった。が、04年6〜7月にポルトガルで開催された欧州サッカー選手権(EURO 2004)で、英仏独伊西葡らの一流国を差し置いて優勝した(04年8月のランキングはギリシャ14位、日本20位)。

 

サッカー後進国のギリシャには欧州の名門クラブでプレーする一流スター選手はいないから、たとえどこかのリーグ(の弱小クラブ)に所属していても、そこから引きはがしてギリシャ代表の合宿に長期間参加させるのは容易だ。

 

たとえば代表主将のザゴラキスの場合、所属するAEKアテネは破産寸前の、ギリシャ国内の三流クラブだったので、同クラブは喜んで彼を代表に送り出した。彼がEUROで活躍して有名になってどこかの名門クラブに移籍してくれれば、高額の移籍金を獲得できるからだ(しかし、EURO後、実際のオファーは名門からはなく、イタリアの二流クラブからEURO最優秀選手としては格安の年俸約1億9000万円のオファーが来ただけだった。夕刊フジWeb版04年7月8日「欧州王者ギリシャ完敗!?移籍市場はポルトガル圧勝」)。

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二流選手で構成されるギリシャ代表はみんなヒマなので、「顔を見ただけで、相手が何を考えてるかわかる」ほどのコンビネーションを確立する時間が十分にあった。

 

他方、ギリシャと違って、フランスのような一流国の場合は一流スター選手が大勢いる。たとえばフランスのMFジダンは、ふだんはスペインの名門クラブ、レアル・マドリードに所属して高給をもらい、クラブがスペインリーグで優勝することを最大の目標にしてプレーしている。このため、ジダンらのスターは、EUROなどに備えてフランス代表に参加する期間が、ギリシャの選手に比べてかなり短い。

 

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スター選手の場合、直前になって初めて自国代表の若手選手と顔を合わせ、その個性や成長ぶりに驚く、といったことも珍しくない。こうなると、フランスのような一流国の代表チームでは、選手間の連携などの「和」を作るのが非常に難しい(朝日新聞Web版04年6月23日「選手の意思で布陣変更」)。スターは個人技に優れてはいるが、下手に個人技を発揮すると、まわりの選手と呼吸が合わないのでミスが生まれやすい。

 

となれば「マイアミの奇跡」のEURO版だ。EURO 2004では、ギリシャは予選Lで開催国ポルトガルに勝ち(1-0)スペインと引き分けて(1-1)決勝T(トーナメント)に進み、決勝Tではフランス、チェコ、ポルトガルに、いずれも1-0で「守り勝って」優勝した。他方、フランスは決勝Tのギリシャ戦まで、一度も選手間の連携を確立できずに敗退した(朝日新聞Web版04年6月26日「敗退のフランス、本来のリズム取り戻せず」)。

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●3Aと2Aで十分●

これは野球にもあてはまる。野球でも、内外野の守備の連携や、ヒット・エンド・ランやスクイズなどの「機動力野球」、相手投手の投球のうち「狙い球」(球種)を決めて全員で流し打ちをする「チームバッティング」では、チームメイト同士はお互い(がミスをするとき)のクセを知らないと、ミスを防いで好結果を出すのは難しい。だからチームワークは重要だ。

 

00年シドニー五輪野球でも(04年アテネ五輪と同様に)、MLB(米大リーグ野球機構)は大リーガーの参加を認めなかったため、米国五輪代表はマイナーリーグの3A、2Aの若手選手を中心に構成された(産経新聞Web版00年8月25日「米五輪野球 全員現役マイナー選手」)。

 

他方、キューバ五輪代表は、のちにニューヨーク(NY)ヤンキース入りするホセ・コントレラス投手(現シカゴ・ホワイトソックス)ら、大リーグで即通用するレベルの一流選手を多数揃えていたので優勝候補と目されていた。

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が、優勝したのは米国だった。米国代表は予選Lではキューバに敗れて2位通過だったが、決勝Tでは「本気」を出し、決勝戦ではキューバを3安打無四球で完封し、三塁を踏ませず「4-0」で圧勝した。

 

米国の勝因は、五輪直前に開催国豪州で、ラソーダ元ロサンゼルス・ドジャース監督のもと、2週間近い長期合宿を組んだことにある(日経新聞Web版00年9月4日)。他方、このときの日本五輪代表はプロ・アマの混成チームだったが、プロ選手の合流が遅く、代表全員が参加した練習は五輪開幕前には2日間だけ、というお粗末さで、優勝どころかメダルも逃した。

 

このとき日本五輪代表には、松中や松坂大輔(西武)、中村紀洋(近鉄)ら米大リーグで通用しそうなプロの一流選手がいた。が、「2日間しか合宿しない一流選手」より「2週間合宿した二流選手」のほうが強いという真理を、シドニー五輪の結果ははっきり証明した(だから、04年アテネ五輪の日本代表は、五輪開幕前にイタリアで長期合宿をすることになった)。

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【99年に韓国で開催されたシドニー五輪野球アジア地区予選(兼アジア野球選手権)の日本対台湾の試合は、中盤までは台湾エースの力投もあって投手戦になった。が、後半、日本打線が次々に台湾外野陣の間を襲う打球を放つと、外野からの返球が内野手のグラブにきっちり収まることは一度もなく、すべてマウンド付近で大きくバウンドし、近くにいる野手があわてて押さえる、という醜態をくり返し、台湾は予選で敗退した。なぜ台湾五輪代表ともあろうものが草野球並みの守備をするのか、と当時筆者は不思議だった。もちろんいまは「直前合宿が不十分だったから」と理解できる。】

 

 

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●シドニーの教訓●

アテネ五輪野球の日本代表監督を任された長嶋茂雄は、このシドニーの教訓に学んだ。

必ずしもスターは要らない。03年の五輪アジア地区予選(兼アジア野球選手権)の段階から、五輪代表の野手については、(日本のプロ野球にはない)五輪特有の炎天下40℃のデーゲーム(予選L7試合中5試合)に耐えられる体力のある、若くて(30歳前後かそれ以下)俊足、強肩で守備力のある選手を中心に、長嶋は選考した。(EURO 2004のギリシャ代表と同様に?)少ない得点機を活かして得点し、堅い守備で守って逃げ切ることを基本方針としたのだ(スポニチ00年11月3日付3面「長嶋監督『鬼』 五輪のためなら『スクイズだって』」)。

 

この結果、チームの主役は内野手の宮本慎也(ヤクルト)、小笠原道大(日本ハム)、外野手の高橋由伸(巨人)、谷佳知(オリックス)、福留孝介(中日)、捕手の城島健児(ダイエー)らとなり、(予選の段階では)ダイエー、近鉄の四番打者でシドニー五輪経験者でもある松中、中村や、捕手としての能力は優れているが04年の五輪本番に38歳になる「高齢」の古田は、代表からはずされた。

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【長嶋が「五輪の経験を現役選手としてチームに持ち帰って後輩に伝えることのできる、将来の球界のリーダーたりうる中堅選手を選んだ」と言っているのは、古田や佐々木主浩(横浜)ら「高齢選手」への気配りに相違ない。長嶋の目標はあくまで金メダルであって「将来の球界」などではないのだから。】

 

 

 

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主将の宮本を中心に03年のアジア地区予選を勝ち抜いた日本五輪代表は、プロ野球のペナントレース中に開催されるアテネ五輪本番では、予選と違って(投手を含めて)「12球団各2名」の枠があるため、若干メンバーを入れ替える必要があった。

 

が、代表選手同士は「顔を見ただけで何を考えてるかわかる」関係が理想なので、03年の予選段階ですでにそれに近い状態になっている宮本ら上記の6人は、そのまま「代表チームの柱」として最優先で選出された(04年6月25日放送のNHK『ニュース10』)。この時点ですでに松中や古田は「柱」ではなくなった。

 

03年の予選の際(本来遊撃手ながら)内野ならどこでも守れる選手として重宝された二岡智宏(巨人)と井端弘和(中日)は、04年の本番では、「枠」があるため選ばれなかったが、代わりに、ほぼ同じ守備力を持つ2人の遊撃手、藤本敦士(阪神)と金子誠(日本ハム)が選ばれた。

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【五輪代表の高木豊・守備走塁コーチは現役時代、横浜大洋で二塁、三塁、遊撃を守った経験があるので「遊撃手は二塁手、三塁手も容易にこなせる」と判断しているようだ。このため、代表には、予選段階からやたらに「本来遊撃手」の選手が多く(予選では、のちに米大リーグNYメッツに入団する、西武の松井稼頭央を含めて4人、本番では3人)、逆に、松中や清原和博(巨人)のような「本来一塁手」は1人もいない。一塁は守備が単調なので、極端な話だれでもある程度は守れるが、二塁、三塁、遊撃はそうは行かないのだ。】

 

 

 

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●鈍足の大砲●

代表監督は本番では「各球団から2名」選ぶことが義務付けられているため、長嶋は(仕方なく?)いちおう三塁(と、たまに遊撃)を守れる中村を選んだ。が、ダイエーで松中のあとの五番を打っている城島が代表では四番(近鉄の四番打者・中村の打順は、04年7月13〜14日のキューバ五輪代表とのアテネ五輪壮行試合で六番、七番)であることで明らかなように、本塁打を打てる「大砲」だが足の遅い中村は、中心選手としては期待されていない。

 

注目すべきは、予選でも本番でも、プロ野球1軍の準レギュラー選手にすぎない木村拓也(広島)が選ばれていることだ。ペナントレース中の木村の成績(.244、2本)は、中村(.277、17本)や松中に遠く及ばない。が、木村は俊足で、内外野すべての守備位置を守れる。代表選手は24名限定で、連戦に備えて投手を11名、捕手も控えを含めて最低限の2名とすると、内外野を守る野手は11名しか選べない。その11名のなかに怪我人が出ても日本から呼んで補充することはできないので、野手の怪我人に代わってどこでも守れる木村は貴重な存在だ。

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他方、松中は一塁しか守れないうえ、足が遅い。代表の一塁手・小笠原は本来三塁手なので、他の三塁手が怪我をした際、小笠原はそれをカバーできるが、松中は何もできない。代表監督は「最悪の場合」を考えるので、長嶋は結局、松中は一顧だにせず、木村(や小笠原、藤本、金子)を選んだのだ。

 

松中はペナントレースでは99試合で35本塁打を打つ強打者だ(04年8月4日現在)。が、それは、日本独特の環境(打者有利のストライクゾーン、弾むボール)での実績にすぎないし、そのうえ平均すればその本塁打も3試合に1本出るだけだ。五輪のような短期決戦では「いつ出るかわからない松中の本塁打より、必要なとき確実に使える木村や金子のバントや守備固め」のほうが価値がある。「金子(.259、3本)は日本ハムで九番を打っている(打力の弱い)選手ではないか」(『週刊文春』前掲記事)などという非難は、五輪を知らない素人のたわごとだ。

 

たとえ「2名枠」がなくても、長嶋は松中を選ぶまい。選べば、EURO 2004のジダンになるのは必至で、シドニー五輪の米国代表を知っている者はそんな愚は犯さない。五輪には「一流選手を集めれば勝てる」などという法則はないのだ。

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「個人主義者だった選手たちは、いまや1つのチームになることが勝利を得る唯一の方法だと理解している」

 

これはEURO 2004で優勝したギリシャ代表監督の言葉だ(朝日新聞Web版04年6月27日「ギリシャ改革結実 ドイツ人のレーハーゲル監督」)。いずれ長嶋(または監督代行の中畑清ヘッドコーチ)の言葉にもなるだろう。

 

 

 

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 (敬称略)

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