国家犯罪と謝罪

 

〜シリーズ

「米バージニア工科大

銃乱射事件」(2)

 

(May 01, 2007)

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国家犯罪と謝罪〜シリーズ「米バージニア工科大銃乱射事件」(2)■

 

2007年4月の、米バージニア工科大銃乱射事件の犯人が韓国籍であったことについての、盧武鉉(ノ・ムヒョン)韓国大統領の謝罪は(「従軍慰安婦」問題における日本政府の謝罪のように)かえって政府の責任を印象付ける恐れがあり、逆効果だという指摘がある。

 

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国家犯罪と謝罪〜シリーズ「米バージニア工科大銃乱射事件」(2)■

 

【お知らせ:佐々木敏の小説『天使の軍隊』が2007年4月26日に紀伊國屋書店新宿本店で発売され、4月23〜29日の週間ベストセラー(単行本)の 総合10位 (小説1位)にランクインしました。】

 

【前々回「韓国の『イメージ危機管理』〜米バージニア工科大銃乱射事件」は → こちら

 

【前回「本日発売」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → こちら

 

前々回、2007年4月の、米バージニア工科大学銃乱射事件の犯人が韓国籍であったことについて、韓国大統領府が、諜報機関と連携して危機管理を司る安全保障室のスタッフと協議して、国家イメージを守るための謝罪(に近い哀悼の意)を表明したことを指摘した。

 

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●無意味な謝罪●

ところで、なぜ盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は謝罪(に限りなく近い哀悼の意)を米国民に向けて2回も表明したのだろう。
5000万人近くいる韓国籍保有者のなかに1人ぐらい凶悪犯がいても不思議ではなく、いても国家の責任ではないから大統領も政府高官も謝罪すべきではない。

 

1981年にフランスで起きた日本人・佐川一政によるオランダ人女性殺害事件(「パリ人肉事件」)の際、日本政府が謝ろうとしたら、フランス政府やオランダ政府が驚いた、という事例でもわかるとおり、個人主義の発達した西洋諸国では、国家機関に属してもいない犯罪者個人の問題を「国家の責任」とみなす考えはない。

 

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もし「韓国人が犯罪を犯したのだから、韓国政府が謝るのは当然」という発想の外交慣例が(アジアで)定着すると、たとえば、中国政府は「日本との重要な外交交渉の前に日本人のならず者を雇って中国人相手に凶悪犯罪をやらせ、日本政府に謝罪させてから交渉に臨み、心理的に優位に立つ」といったことも可能になってしまう(そういう陰謀はすでに行われている可能性がある。小誌2002年1月31日「『同じ日本人として恥ずかしい』は考えもの」を参照)。これに日本が同じ方法で「反撃」すると、際限のない「ならず者雇い合戦」になってしまう。

 

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●謝罪のバーゲンセール●

1995年のオウム真理教教団による東京での地下鉄サリン事件のあと、同教団信者が事前に豪州でサリンの毒ガスとしての効果を実験していたと判明した際、日本の村山富市首相が豪州政府に「ご迷惑をおかけしました」と言ったのは、相手が豪州だからよかったものの、もし中国だったら「あれは国家犯罪なのか」と責任を問われかねず、外交上は大失言になりかねなかった(朝日新聞1995年5月25日付朝刊2面「オウム『牧場サリン』お騒がせしました 村山首相、豪首相に謝罪へ」)。

 

実は、今回の盧武鉉大統領の「公式謝罪に近い哀悼表現」はかえって韓国政府の責任を印象付ける恐れがあり、逆効果だ、という指摘がある(聯合ニュース2007年4月19日「銃乱射事件の政府謝罪、『韓国責任論』招く懸念」)。

 

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●日本の二の舞●

韓国政府はかつて、第二次大戦中に(おもに日本人の)売春宿(慰安所)経営者と(おもに朝鮮人の)女衒(ぜげん)が朝鮮(韓国)人の職業売春婦の志願者を集めて(ごく一部には、業者や女衒や、娘を売り飛ばしたい朝鮮人の親による、朝鮮人女性に対する詐欺、強制、搾取もあって)、日本軍の駐屯地の近くで軍人相手に商売をした事実を取り上げて、「戦時の日本軍の強制連行による従軍慰安婦制度」と認めて謝罪するように日本政府に求めた。戦前戦中は元々売春は合法であり、民間の売春業者も戦前からすでに大勢おり、べつに戦争のために合法化したわけではないのだが、日本政府が(以前から)合法化していたのは事実なので「責任があるはずだ」というのだ。

 

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【この韓国側の主張を認めると、2007年現在、日本の風俗産業に「出稼ぎ」に来ている韓国人女性が、雇い主から契約違反や給与の不払いなどの「搾取」を受けた場合、もしその女性の客のなかに大勢の自衛隊員がいたとすると、「だまされて、自衛隊の従軍慰安婦にさせられて傷付いたのだから、日本政府は責任がある」ということになる(んなアホな)。】

(>_<;)

 

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【戦前戦中の日本軍には自ら「慰安所」の経営に関与する動機は存在しない(性病予防のための検診には関与した)。なぜなら、民間に売春業者がたくさんあり、女衒も売春婦志願者もいくらでもいたからだ。したがって従軍慰安婦、つまり軍専属売春婦などありえない。もちろん、ごく一部には軍規に違反して民間の婦女子に暴行する不心得な日本兵もいたであろうが、それは売春婦の問題とはまた別の問題である。

朝鮮人慰安婦のなかには朝鮮人の親や女衒に「強制」されて売春婦になった者がいた、という説は、現代史家の秦郁彦のものだが、韓国の現状を知ればだれでも納得できよう。なぜなら韓国では、世界第12位の経済大国になった現在でも、捨て子が非常に多く、その多くは海外の養親に引き取られるため「孤児輸出大国」と言われているからだ(東亜日報日本語版2001年4月5日付「社説:美しい始球式」)。いま捨て子をする親が大勢いるなら、いまよりずっと貧しかった戦前にも大勢いたはずだし、そのなかには当然女衒に娘を売り飛ばす親もいたはずだ。なぜなら、ただ道端に捨てるより、売り飛ばしてカネに換えたほうがトクだからだ。】

 

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この韓国側の支離滅裂な要求に対して、1993年日本政府は、日本政府が関与した証拠がないにもかかわらず、(例によって韓国側の要求の仕方があまりにギャーギャーうるさかったために、根負けして?)俗に「河野(洋平官房長官)談話」と呼ばれる「公式謝罪に近い遺憾の意の表明」をしてしまった。そのため、日本政府はその後延々と世界中から以下のように非難されることになった:

 

「謝罪したということは責任を認めたということだ」

「慰安婦を抱える慰安所は日本政府の許可を得て営業していた」

「慰安婦になった韓国(朝鮮)人女性は日本政府の強制による性奴隷だ」

 

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そして、非難はやがて米議会にも飛び火し、今年2007年には、とうとうこの問題で日本を非難する決議案が可決されそうになったのだ(『週刊ダイヤモンド』2007年3月17日号所収 櫻井よしこ「妥協の積み重ねで『強制』の濡れ衣 慰安婦問題は根本から論じ直すべき」)。その日本と同じ轍を、いま韓国政府が踏もうとしている。

 

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なんなら、日本政府は、慰安婦問題における韓国政府の態度をまねて、銃乱射事件の生存者や、犠牲者の遺族を買収して、米議会公聴会で以下のように証言させてもいい:

 

「謝罪したということは責任を認めたということだ」

「銃乱射事件の犯人は韓国政府発行のパスポートを持って、韓国政府の許可を得て米国に来ていた」

「犯人は韓国政府によって米国に送り込まれた」

「銃乱射事件の被害者は韓国政府の強制による銃撃奴隷だ」

「米国議会は、韓国政府の国家犯罪に対する非難決議をすべきだ」

 

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これは悪い冗談に見えるが、「従軍(?)慰安婦」問題も、理論上はこれと同じことなのだ。

 

「冗談」はこのくらいにして、日中韓の首脳は早急に首脳会談を開き、「国家(政府)の営みでないことについては国家としての謝罪はしないことにしよう」と申し合わせをしたほうがいい。

 

国民全体のごく一部、あるいは、たった1人が犯した「国家犯罪」で民族全体や国民全体を悪く言うのは、その民族自身、国民自身が言う場合であっても、民族差別、人種差別だ。小誌は差別には反対する(小誌の韓国批判は差別ではなく、事実についての正当な批判である。むしろ、戦前生まれの「日系日本人」と違って、筆者には韓国人への差別感情がないので、堂々と「悪いことは悪い」と批判できるのだ。小誌2006年1月13日「差別と批判の違い」も参照されたい)。

 

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●過剰反応●

繰り返しになるが、たった1人の悪事を取り上げて、民族、国民を悪く言うのは民族への偏見であり、人種差別だ。

 

だから、米バージニア工科大銃乱射事件の犯人チョ・スンヒがたまたま韓国籍だったからといって、それを理由に韓国人全体を悪く言う者に対しては「人種差別だ」と言い返すべきだ。韓国人や韓国政府が米国に向かってそう訴えれば、黒人やユダヤ人はすぐに賛同してくれるはずだ。

 

英米のマスコミが銃乱射事件の犯人の名前や国籍を報道するのは、(前々回取り上げたルーシー・ブラックマン殺害事件の被告の韓国名を報道した場合もそうだが)事件の背景を正確に解明し、銃規制や犯罪対策や人種問題を考えるためであって、韓国人をいじめるためではない。

 

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だから、日米の新聞の1面から「韓国人の犯罪」の記事を消すために、長崎市長銃撃事件や東京都町田市の人質・立てこもり・拳銃自殺事件(未遂)や、米航空宇宙局(NASA)の人質・立てこもり・拳銃自殺事件などを立て続けに起こす(!?)必要などない(毎日新聞Web版2007年4月18日「長崎市長:銃撃され心肺停止、組幹部を逮捕 選挙事務所前」、読売新聞Web版2007年4月21日「東京・町田の立てこもり、組員を逮捕…頭撃ち自殺図る?」、同「NASAで拳銃男が立てこもり、同僚を殺害し自殺」)。

 

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2002W杯サッカー本大会の「誤審」(試合前日、2002年6月13日の小誌の予測記事「●いまこそ『奥の手』を〜審判に『期待』」)や黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大教授のノーベル賞詐取未遂(論文捏造)事件(および、捏造摘発に対して一般大衆レベルで国を挙げて「陰謀だ」「濡れ衣だ」と騒ぎ立てた事件)(中央日報日本語版2005年12月23日付「『早く早く』の文化が黄禹錫教授論文ねつ造の事態の原因」、朝鮮日報日本語版2006年1月2日付「青瓦台、昨年11月末に論文ねつ造把握」)と違って、チョ・スンヒの事件は国家犯罪ではないので、それで韓国人全体を筆者は断罪などしないし、米国人もみんな同じ意見だ…………と、いくら訴えても韓国人には通じないかもしれない。

 

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なぜなら、前々回述べたように、韓国には「イメージ管理」という言葉があり、その言葉の意味するところは強烈だからだ。

(>_<;)

韓国人は自分の顔写真を携帯電話の待ち受け画面に載せる世界で唯一の国民だが、一般にそういう写真はデジタル画像処理で美しく修正してから載せるので、携帯電話を開くたびに、まさに「鏡よ鏡、世界でいちばん美しいのはだあれ」の状態になる。

 

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さらに、これが、履歴書やパスポートやブログに載せる写真となると、修正の仕方が半端でない。韓国人たちに言わせると「だれが見るかわからないから、ヘンな顔は載せられない」のだそうだが、実は、その「ヘンな顔」とは自分のほんとうの顔なのだ。そして、そのほんとうの顔をあまりにどぎつく修正するので、就職の際に提出する履歴書の顔写真がすっかり別人の顔になり、「美人だと思って採用したら、似ても似つかない人が来た」などということもしばしばある(中岡龍馬『韓国人につけるクスリ』オークラ出版2005年刊)。

 

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もちろん、どうしても画像修正では我慢できない韓国人は、とくに女性は、形成(整形)外科手術で顔そのものを変える。韓国の女子高生は大学入試を終えると、大学入学までの「谷間」を利用して、一斉に美容外科クリニックに駆け込んで行列を作る。

 

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【よく、韓国人は自らを「誇り高い民族」と自称するが、日本語ではこういうのを「誇り高い」とはいわない。「自意識過剰」と呼ぶのが正しい。】

(^^;)

 

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彼らは自らの対外イメージが悪化することに病的な恐怖心を抱いており、事実(素顔)を歪曲してでもそれを回避しようとする傾向が全国民的に存在するので、前々回示唆したように「イメージ管理のために諜報工作員を使って事件を起こす」ことは、十分ありうるのではないか。ちなみに、バージニア工科大銃乱射事件の犯人が韓国籍であることを確認した安全保障(政策)室長の白鍾天(ペク・ジョンチョン)は、野戦部隊を指揮した経験のある退役陸軍准将であり、諜報活動のセンスはあると考えられる(朝鮮日報日本語版2006年11月25日付「韓国政府人事:安保政策室長内定の白鍾天所長、太陽政策に迎合?」)。

 

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●国民性?●

ところで、「白鍾天・安全保障政策室長」の肩書きが、同じ韓国紙の別の記事では「外交安全保障室長」となっていて(朝鮮日報日本語版2006年12月2日付「盧大統領、宋旻淳外交長官を任命」)不統一なのは、いかにも韓国人らしい(日本の新聞なら絶対に統一する)。筆者がこの「事実」を指摘するのは、民族差別でも人種偏見でもなく、批判ですらない。異文化圏についての、単なる感想である。

 

 

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 (敬称略)

 

 

 

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