■北朝鮮は小泉再選支持?■
【前回の記事から続く。】
03年9月の自民党総裁選は、小泉首相(現総裁)が優勢で、再選されそうな形勢ですが、前回01年のときとは投開票のルールが違うので圧勝は難しく、「反小泉勢力」の候補者が「2、3、4位連合」を組めば、決選投票で逆転する可能性も、わずかながらあります。
ところで北朝鮮は、だれが総裁(首相)なら日朝交渉がしやすいと考えるでしょうか?……国民の支持率が高く、すでに02年の平壌会談以降の態度で「手の内」のわかっている小泉首相のほうが、「未知数」の他候補(亀井静香元政調会長、高村正彦元外相)より譲歩させやすいのは間違いなし。
総裁選の投開票は20日ですが、その3日前の17日は「平壌会談1周年」なので、その前後に「拉致被害者(蓮池夫妻、地村夫妻)の子供計5人の帰国」というプレゼント(賄賂?)を小泉政権に贈れば、小泉再選は確実。
しかもワイドショーは以後この計5人の子供の報道に集中するので、他の被害者やその家族の帰国・安否確認は二の次になり、拉致問題は事実上「過去の問題」となり、拉致問題解決が前提だった「日朝交渉」も国交回復(日本からの経済援助決定)に向けて大きく前進する(と北朝鮮側が勝手に期待する)でしょうから、小泉政権と平壌の金正日政権がすでに「裏取引」をしている疑いは濃厚。
但し、被害者家族(子供5人)の帰国後、日本国民の対北朝鮮世論が「軟化」するという保証はありません。北朝鮮は01年9月の「拉致謝罪」、10月の(蓮池夫妻ら5人の)「一時帰国」で、世論の軟化を期待したものの、二度とも読み違えているので、「二度あることは三度ある」でしょう(が、政権交代で政局が混乱すると日朝交渉の再開は遅れ、日本から経済援助をもらえる日も遠のくので、北朝鮮は小泉政権に賭けるしかないんですわ)。
■「菅直人首相」への、よいしょ■
03年9月30日深夜:TBS『名門 アサ秘ジャーナル』、10月1日夜9時台:フジ(関西)テレビ『さんまのまんま』と、2夜連続で菅直人・民主党代表は夫人とともにTV出演して「総選挙の事前運動」。このうえ、衆議院の解散(10月10日)前にテレビ朝日『徹子の部屋』にも出るようなら、もう日本のマスコミはこぞって「政権交代」の陰謀に荷担していることになります(とくに『名門…』は当初予定されていた坂口力・厚労相を急遽差し替えて菅代表の出演が決まったので、陰謀の疑いが濃厚。角川書店の『月刊 ザ テレビジョン 首都圏版』03年9/27-10/31号 p.95 を参照)。
折りしも週刊文春(03年10月9日号 p.148, p.158)、日刊ゲンダイ(03年10月3日付 p.3)などが相次いで安倍晋三・自民党新幹事長のネガティブキャンペーンを始めており、もしも(03年9月30日に「秘書給与詐欺疑惑」での不起訴処分が決まった)田中真紀子前外相が、「疑惑」を理由に自分を党員資格停止処分にした自民党執行部への批判を始めれば(ネームバリューのある彼女の発言はワイドショーが大きく取り上げるので)自民党の人気はガタ落ち。
来たるべき衆議院総選挙では、自民党は負け、野党に転落し、分裂するでしょう。