資本主義は70年毎に戦争でリセットされるネズミ講
〜シリーズ「究極の解決策」(4)〜
「資本主義は元々60〜70年で破綻する『ネズミ講』であり、60〜70年毎に革命か戦争でリセットする必要がある」という説を信じている者が、日米の政財官界の有力者のなかにかなりいる。
「資本主義はネズミ講」と聞いてすぐに納得される方はほとんどいないだろう。
しかし、筆者にこの「理論」を教えた永田町・霞が関のインサイダー(Dとする)は、この理論を根拠に、2008年の米大統領選を契機に米国の政策は大きく(米民主党の伝統的な政策である)保護主義的な方向に転換すると予測して、的中させている(小誌2008年2月1日「ヒラリー大統領〜2008年米大統領選」、同11月27日「●共和党の八百長」)。
Dは、大統領に当選するのは、米民主党のバラク・オバマ上院議員ではなく、同党のヒラリー・クリントン上院議員と予測していたとはいえ、オバマは選挙中に「製造業の復活」を唱え、「次世代の自動車は、日本や韓国ではなく、米国が開発し生産しなければならない」と演説し、米韓自由貿易協定(FTA)は韓国の自動車産業を利するという「自由貿易批判」もしていたから、米国が保護主義志向になったのは明らかだ(国際貿易投資研究所『季刊 国際貿易と投資』2008年冬号「佐々木高成:公正貿易をめぐる米国内の議論とオバマ次期政権の通商政策」、中央日報日本語版2008年6月19日付「オバマ氏、『FTAは韓国車に有利』批判」)。
●ネズミ講の宿命●
近代以前の貧しい社会に資本主義システムが導入されると、まず少数の者が豊かになり、豊かな食生活や高価な医薬品、医療サービスの恩恵を受けて寿命を延ばす。
この結果、年齢別人口構成を示すグラフはピラミッド型……ではなくて、逆T字型になる。所得別人口構成のグラフも同様である。
この場合、少数の金持ちは、高度な教育を受け、情報を集め、国家や企業の運営方針について、排他的独占的に影響力を行使する。
政治は少数の豊かな特権階級に基づく非民主的独裁政治か、または(1918年以前の英国や1925年以前の日本がそうであったように)所得(直接税の納税額)によって選挙権を制限する「制限選挙」に基づく議会制民主主義政治となる。
逆T字型の「上」(頂点)に立つ年長者、政治家、官僚、経営者、管理職、商品開発者、研究者、著者、芸術家から「下」にいる若者、貧乏人、労働者、消費者、読者、観客に向かって、政策、法律、教育、広告宣伝、流行情報、文化、命令、需要が発せられるので、「下」はひたすら「上」に従えばよい。
たとえ「下」にいる者でも、このシステムに(早く)参加した者は豊かになれる。貧しい家に生まれても、「上」の望むような教育を受けて、読み書きや「毎朝起きて定時に同じところへ通う生活習慣」を身に付け、就職後はよく働き、よく稼ぎ、貯めたカネは、「上」の連中が開発した商品やサービスを購入するのに使う。そうこうするうちに「下」の連中もある程度寿命が伸び、生活水準が向上するので、逆T字型は中盤が少し幅広になって、三角形型、すなわち典型的なピラミッド型になる。
この傾向が続いて、「下」の者が全員中年や中産(中流)階級、すなわち「中」になってしまうと、「下」がいなくなって困る。そこで、政府は女性には大勢の子供を産んでほしい。
が、生活が豊かになり、セックス以外に「やること」の増えた中産階級の夫婦はそうそう大勢の子供はつくらない。医療のお陰で乳児死亡率も下がったことだし、「少なく産んでだいじに育てよう」と考える。このため、年齢別人口構成も所得別人口構成もやがて、ピラミッド型から逆U字型(釣鐘型)になり、最終的には逆ピラミッド型になる。
この「最終段階」になると、ネズミ講は破綻する。
そもそも「下」の連中は、「努力して勉強や仕事や貯蓄をすれば『上』に上がって、命令を出したり流行や文化を作り出したりする側にまわり、最先端の医療や教育を受けられ、老齢年金も十分に得られる」と思って頑張って来たのに、いざ自分たちが中年や中産階級になってみると、「『上』はもう定員オーバーで、新規募集は行っておりません」と言われたことになるからだ。
国民の大半が豊かになって「総中流」になった国があるとすれば、それは成功であると同時に失敗なのだ。
国民の多くが「努力して『中』(真ん中)に上がったと思ったら、依然として『下』だった」というのは、民主主義国家としては、いかにもまずい。大勢の国民がそういう現状に不満を抱くと国家体制が崩壊しかねない。そこで、国家がこのシステムを破綻させないためには、抜本的な対策が必要になる。
歴史的に見て、方法は2つ。
1つは、豊かになった国民を相対的に「中」に押し上げるために、貧しい外国を自国の経済圏に組み込み、外国の貧乏人と若者を自国経済圏のピラミッド構造のいちばん「下」に敷くこと。もう1つは、革命か戦争で自国を含む各国の国家体制を破壊して、すべてを「ご破算」にすることだ。
●資本主義1.0●
資本主義は、15世紀のイタリアで、資本(資金)を効率よく運用するための会計学(こんにち世界中で使われている複式簿記)が確立されたことで始まった。が、それが大規模に展開されるようになったのは、18世紀後半(1770年頃)に英国で産業革命が始まってからだ(この最初の資本主義を「資本主義バージョン1.0」あるいは「資本主義1.0」と呼ぶことにする)。
英国を皮切りに、西洋諸国が次々に生産性の高い工業を展開した結果、西洋諸国の国民は豊かになったが、約70年後、1836年になると、英国経済は恐慌に陥り、行き詰まる。
英国始め各国は安価な工業製品を大量に生産して豊かになったが、生産力が過剰になり、商品を国内で、あるいは西洋諸国内で売り尽くすことができなくなったのだ。
そこで、英国は中国に目を付ける。19世紀当時からすでに巨大な国土と人口を持つ中国を、西洋の経済圏に組み込み、中国の貧乏人と若者を西洋の安価な工業製品の「はけ口」として「下」に敷こうと考えたのだ。
しかし、当時の中国人は自国内の産品でそれなりに充足した暮らしをしていたし、テレビもインターネットもない時代に、見たこともない西洋の工業製品をほしがるなどという奇妙な「需要」は当然存在しなかったので、中国は西洋と本格的な貿易を始めても、ほとんど何も輸入しなかった。
他方、西洋諸国は、冷蔵庫のない19世紀、船乗りにとって唯一安全で衛生的な飲み物としてお茶を必要としており、それは1840年頃は中国から輸入するしかなかった。このため、当時の英国は中国に工業製品を輸出できないまま、大量のお茶の葉を輸入して貿易赤字を計上し、見返りに正貨(金銀)が中国に流出し続けていた(ヘンリー・ホブハウス著『歴史を変えた種 - 人間の歴史を創った5つの植物』パーソナルメディア1987年刊)。
●1.0から2.0へ●
このままでは、英国資本主義の「ネズミ講」は破綻してしまう。そこで、英国は中国を武力で屈服させ、その伝統的な技術力、生産力を破壊して、中国人全員を「下」に落とし、英国民の「下」に敷くことに決めた。これが、1840〜1842年のアヘン戦争である。
この戦争で中国は、物理的な破壊兵器である大砲、小銃や軍艦と、精神的な破壊兵器であるアヘンの両方を武器とする英国によって、徹底的に破壊された。中国を破壊した「主犯」は英国だったが、アヘン戦争で弱体化した中国(清朝)の領土は、ドイツ、ロシア、フランスなどの「事後共犯」によって蚕食され、結局西洋諸国に分割支配された。中国が西洋諸国の「下」に敷かれたことで、それからまた新たなネズミ講が始まる。
この「資本主義2.0」も、アヘン戦争の約70年後に破綻する。そして、1914〜1918年の第一次大戦という戦争と、1917〜1922年のロシア革命という革命によってリセットされる…………はずだった。
●2.0から3.0へ●
しかし、こんどのリセットは、アヘン戦争のように短期間では終わらず、なかなか「資本主義3.0」が始まらない。
第一次大戦の敗戦国であったドイツの工業生産力が戦後に回復し、(ロシア革命によってロシア帝国がソ連になり、同国の輸出品が世界市場に出回ることはなくなったとはいえ)ソ連の市場が西洋諸国に対して閉鎖されたままで、かつ、米国の工業生産力が伸びて来ると、世界はふたたび生産力過剰に陥り、「需要」を上回る「供給」の存在に直面する。
これが1929年に始まる世界大恐慌である。
当時は、国際通貨基金(IMF)も主要国首脳会議(G8サミット)もなく、各国が経済政策を協調させる仕組みも発想もなかったので、各国は自国本位の経済政策に走る。
米国は広大な国土を、英国は広大な植民地を、自分たちの金城湯池(ブロック)として囲い込み、外国からの輸入品を締め出す保護(貿易)主義政策を採り、そこに住む貧乏人と若者を、台頭して来た中産(中流)階級の「下」に置いて独占的に利用することに決めた。これが究極の保護主義的経済政策、いわゆる「ブロック経済」である。
ソ連やフランスは、米英と同様に広大な国土や植民地があるので、同じことができた。しかし、米英仏より遅れて資本主義化した日本、ドイツ、イタリアは広大な国土も植民地もなかったので、それを獲得するための戦争をアジア、欧州、アフリカで始めた。これが1939〜1945年の第二次大戦である。
当時、航空機、艦船を自力で生産でき、原子力を独自に研究開発できるだけの重化学工業技術を持つ国は事実上、米国、英国、ドイツ、日本、ソ連の5か国しかなかった。
第二次大戦は当初、米国が参戦しなかったために、ドイツが隣国ポーランドを侵略することで始まり、やがてドイツは英国を空爆し、ソ連に侵攻した。その後、1941年12月、日本の真珠湾奇襲を契機に米国が参戦し、米国が日本とドイツを攻撃した。
つまり、第二次大戦は5大工業国による「工業生産力の破壊合戦」であり、米国が故意に参戦を遅らせて、英国の工業生産力がドイツに破壊されるまで英国を助けず、放置したことによって、英国の没落が決定的になり、他方、5か国のうち唯一本土が戦場にならなかった米国の工業生産力が無傷で生き残り、戦後の米国の「覇権」が確定した。つまり、戦争を経て、まともな工業生産力を持つ国は事実上、5か国から1か国に減ったのだ。
ここで重要なのは、米国が直接手を下して破壊したのは日独の工業生産力のみだということである(「米日型」「米独型」の工業生産力破壊)。しかし、米国はソ連と英国がドイツによって侵略されるのを一定期間座視することによって、結果的に両国の工業生産力を破壊している(「独英型」「独ソ型」の工業生産力破壊)。
こうして、第一次大戦で始まった「資本主義2.0」はようやく完全にリセットされ、つまり「2.0」が完全にご破算になって、「3.0」がスタートする。
●3.0の終焉●
それから、63年経った2008年9月、米名門投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻して金融危機が始まった。
この金融危機を、各国政府の経済政策如何で脱出可能な「単なる不況」と見る意見もあるにはある。しかし、その根拠はなんだろう。
今回の金融危機は、米金融界が低所得層向けの不動産担保融資「サブプライムローン」に代表される、リスクを証券化した複雑な金融商品を開発し販売してリスクを世界中にばら撒く「マネーの暴走」が原因で起きたのだから、そういう暴走を規制すればいいのであり、米国は政策を間違えたのだ、という批判は当然あるだろう。
しかし、経済の高度成長を達成した社会では、年齢別人口構成も所得別人口構成も必ず、少子高齢化と中産階級の台頭によって「逆ピラミッド型」になる。資本主義が両者ともに「正ピラミッド型」が続くこと(末広がり)を前提にしたシステムである以上、第二次大戦後半世紀を経た2000年前後から、米政財界は「もうこれ以上は、どんな政策を採っても世界(あるいは米国)の経済成長は長くは続かない」と悟ったのではないだろうか。
つまり、米国の政財官界が愚かだったからサブプライムローン問題が生まれたのではなく、もはや「だれがやってもダメなものはダメ」な時代に突入したからそうなったのではあるまいか。
リセットの時機には往々にしてそうなる。
1930年代の日本では、(女性に参政権がなかったとはいえ)男子普通選挙は実現されており、政権交代可能な議会制民主主義政治が生きていて、実際に政党間で政権交代は頻繁に行われていた。しかし、元々「下」に敷くべき広大な国土や植民地を持たない日本では、いくら選挙で政権交代をしても、つまり、政策をだれがやってもうまく行くはずはなく、不況に直面した国民の不満はなかなか解消しない。
そこで、「もう議会制民主主義や政党政治は役に立たない」と見切りを付け、社会主義革命を夢見たり、政党政治家を排除して軍部主導の政権を作ろうと考えたりする者が出て来る。後者が具現したのが、1931年の満州事変、1932年の「5.15事件」、1936年の「2.26事件」である。
もちろん米英には「5.15」も「2.26」もなかった。しかし、両国は日本が満州事変を起こすはるか以前に世界中を侵略して広大な国土や植民地を得ていたから、「あらためて政党政治の否定や侵略戦争をしなくても、ピラミッド構造の延命ができた」ということにすぎない(べつに米英の民主主義が日本のそれより優れていたわけではない)。
さて、米英が議会制民主主義や政党政治を持つ民主主義国家であり続けたいなら、いま彼らがやるべきことはなんだろう。
やはり、米国は広大な国土を活かしてブロック経済をやればいいのだろうか。
●ニューディール幻想●
実は、2.0から3.0へのリセットの過程で試みられたブロック経済政策のうち、英国ののほうが米国のより優れていた。
英国は広大な植民地を抱え込むブロック経済を志向したため、インドやアフリカの英国植民地に住む膨大な貧困層や若者を「下」に敷く「アヘン戦争後の成長政策の再現」が可能だった。他方、米国には広大な国土はあったものの、その国土に住む国民の大半はすでにかなり豊かになって「中」に上がっていたので、「下」に敷くべき貧乏人や若者の数が足りなくなっており、ピラミッド構造の維持が難しくなっていたのだ。
1929年の大恐慌のあと、1933〜1945年に米大統領であったフランクリン・デラノ・ルーズベルト(FDR)のもと、米国経済が恐慌のどん底から立ち直ったため、彼の実施した、政府財政支出(公共事業)主導の経済政策、いわゆる「ニューディール政策」は成功した、という認識が世界中に広まっている。
たとえば、フジサンケイビジネスアイは「(オバマ次期大統領と)同じ民主党のルーズベルト大統領は1929年の大恐慌発生以降、公共事業などで雇用創出を図った『ニューディール政策』を展開。積極的な財政支出で、どん底の(米国)経済を立て直した」とニューディールを礼賛する(フジサンケイビジネスアイ2008年11月6日「実るか、新ニューディール 『オバマ大統領』世界が注視」)。
株式評論家の北浜流一郎も、オバマが大統領になるなら「21世紀のニューディール政策」が期待できると述べ、FDRのニューディール政策を、手本とするに値するものととらえている(サーチナ2008年10月23日「北浜流一郎:米、21世紀のニューディール政策に期待」)。
環境政策専門家の飯田哲也も、オバマが選挙公約に掲げた政策「New Energy for America」という、電気自動車開発や太陽光発電や風力発電の推進を骨子とする、環境問題対応型の新エネルギー政策を、勝手に「グリーン・ニューディール」と呼んでいることから見て、FDRがニューディールによって大恐慌を克服したと思っていることは間違いない(日経新聞Web版2008年11月12日「飯田哲也のエネルギー・フロネシスを求めて:グリーン・ニューディール - オバマ次期大統領が担う大変革への期待」)。
しかし、これらの意見とは正反対の意見がある:
「私の歴史に対する理解は皆さんとは違います。フランクリン・ルーズベルトは(最初は、公共事業で大恐慌に立ち向かったが)、途中で(均衡財政の)原則に戻り、増税し、財政支出を縮小した。そうしたらまた不況になってしまった。そこで、新たな一大公共事業に乗り出します。第二次大戦という公共事業に」
つまり、FDRはいくら公共事業をやってもいっこうに景気が上向かないことに嫌気が差し、途中で方針転換して、公共事業予算などの政府財政支出を削減し、増税して財政赤字を縮小し、かえって景気を悪化させるという失態を演じたのだ。そして、それをごまかすために(日本の真珠湾攻撃を口実に)第二次大戦に参戦し、戦争によって米国経済を立ち直らせた、というのだ。
この極めて反米的、陰謀論的な「歴史認識」の持ち主はだれか。
実はこれは、恐れ多くも、2008年度のノーベル経済学賞受賞者、ポール・クルーグマン大博士の肉声(TV出演中の発言)なのである(日本時間2008年11月17日、米国時間前日放送のNHK-BS1『ABCジスウィーク』)。
(^o^)/~
同じ認識を持つ者はほかにもいる。
「ルーズベルト(FDR)は大不況(大恐慌)から脱出できなかった。公共事業(ニューディール政策)で少々雇用を作りはしたが、1930年代後半には、1930年代前半(大恐慌発生時)より米国経済は悪くなった。結局、第二次大戦で戦費を使うことで米国は不況を脱出した。オバマに経済回復のための戦争が必要だとは考えたくないが」
こちらは、「オバマは党の多数派の政策に逆らったことがない。オバマはジミー・カーター(元大統領)のような弱い大統領になるだろう」とも語る保守派の論客、米ブルームバーグ放送ワシントン総局長、アル・ハントの意見だ(2008年11月23日放送のテレビ東京『日高義樹のワシントン・リポート』「オバマ大統領で景気は回復するのか〜ドナヒュー全米商工会議所会長に聞く」)。
●ノーベル賞学者が靖国史観に賛成!?●
非常に興味深いことに、上記のクルーグマンやハントの意見は、靖国神社境内の展示施設、遊就館(ゆうしゅうかん)の「大東亜戦争」コーナーで2005〜2006年の一時期公開されていた展示とほぼ同じなのである。
当時、遊就館では「大東亜戦争」の展示に5室をあて、そのうち最初の部屋で「開戦事情」を展示していた。
そのタイトルは「避けられぬ戦い」。
第二次大戦(靖国神社の用語では「大東亜戦争」)の開戦前、米国はなかなか大恐慌から脱出できなかったため、(政府財政支出を超拡大し、国内の工業生産を活発にするために)、また、反戦を掲げて当選したFDRが対独参戦の口実を得るために、ドイツの同盟国である日本に攻撃を仕掛けてもらうことを欲していた、という趣旨の展示なのだ(しんぶん赤旗Web版2005年5月27日「“靖国史観”とアメリカ」)。
もちろんクルーグマンは「日本は米国の陰謀で第二次大戦に引きずり込まれた」とまでは言っていない。しかし、彼も靖国神社も、日本の真珠湾攻撃が、経済的には米国に絶大な利益をもたらした、という点では完全に意見が一致している。
この展示内容を知った親米保守派の論客、岡崎久彦は激怒し、新聞紙上で「未熟な反米史観」「唾棄すべき安っぽい議論」と酷評し(産経新聞2006年8月24日付朝刊15面「正論 元駐タイ大使・岡崎久彦 遊就館から未熟な反米史観を廃せ」)、それを受けて靖国神社は展示内容を訂正した。
しかし、ほんとうに未熟なのは靖国神社の史観ではなく、岡崎の歴史認識のほうだろう。「FDRに倣ってニューディール政策をやれば、世界経済はいまの不況から脱出できる」などと、なんの根拠もない楽観論を唱える者があとを絶たないのは、岡崎のような、軽率な言葉遣いをする者がいるからではあるまいか。
百歩譲って、靖国神社に対米外交上の配慮を求める岡崎の主張に理があるとしても、あるいは「靖国神社は軍国主義の象徴だからけしからん」という左翼勢力や中国や韓国の言い分が正しいとしても、「未熟」「唾棄すべき」「安っぽい」などという言葉で、大恐慌前後の経済史に対する靖国神社の理解を批判するのは筋違いだろう。ほかのことはともかく、少なくともこの点に関してだけは、靖国神社の歴史認識は「成熟」している。
安っぽいのは靖国ではない。クルーグマンを除く(彼よりはるかに程度の低い?)多くのエコノミストやジャーナリストの大恐慌に対する歴史認識こそが安っぽいのだ。
●歴史に学べ●
以下の人々に言いたい。
すなわち、地球温暖化防止のための環境政策を説く者、そのための自然エネルギー政策を説く者、ジョージ・W・ブッシュ米大統領の政策すべてを単純に悪と決め付ける者、同大統領に追随して日米関係を強化した日本の保守勢力を批判する者、日米同盟の見直しを叫ぶ者、もう米国の覇権は終わったと唱える者、米国の次は中国の時代だと信じる者たちに言いたい。
「あなたがたは、自分は視野が広いと思っているのだろうが、実はなさけないほど視野が狭い。あなたがたの視野にはいっている歴史は、たかだか数年前までの浅い歴史だ。
37年前まで遡れば、米国は相当に横暴な経済政策を採っても、そう簡単には覇権国家の座を失わないとわかるし(小誌2008年11月27日「究極の解決策〜勝手にドル防衛?」)、80年前の歴史を正確に学べば、資本主義はリセットされる時機には「平和的な」公共事業をいくらやっても景気は回復しないとわかるのに、それらをわかろうとしない。
米国はニューディール政策で大恐慌を克服した、などという米国政府の『大本営発表』を鵜呑みにし、たかだか十数年間の中国の国内総生産(GDP)の伸びを見て中国の将来性を信じる者に、いったいどんな見識があるのか」
日米同盟は第三国の脅威から日本を守るためにあるのではない。米国の脅威から日本を守るためにあるのだ。第二次大戦を見てもイラク戦争を見てもわかるとおり、米国は、自国の経済政策上の都合で、適当な理由をでっち上げて他国に戦争を仕掛ける野蛮国だ(小誌2008年12月4日「イラク戦争は成功〜シリーズ『究極の解決策』(3)」)。
だから、日本は常に米国の味方でいなければならないのだ。うっかり米国と距離を置くような政策を採って、イラクのように「違法な大量破壊兵器があるはずだ!」などと言いがかりを付けられて戦争を仕掛けられたら、どうするのだ。
日米同盟を重視する日本の保守政権を批判する連中は、「異国に屈して日米和親条約を結んだのはけしからん」と激昂して大老・井伊直弼を惨殺した幕末の尊皇攘夷派と同じで、まったく現実が見えていない。
「米国の戦争に巻き込まれないように、平和憲法を守って悪いことをしないようにしていれば、だれからも戦争を仕掛けられることはない」などという「護憲攘夷」は机上の空論であり、現実を無視したカルト宗教のご託宣と同類だ。
日本の保守勢力が(最近は民主党も)イラクやアフガニスタンにおける米国主導の戦争「テロとの戦い」で、米国の求める軍事的貢献をすることに熱心なのは(毎日新聞Web版2008年12月20日「民主党:アフガン貢献策などで意見交換 - 米の民主党と」、読売新聞Web版2008年8月28日「日本の国際貢献試練 邦人に退去要請も 『安全の工夫に限界』」における前原誠司副代表の発言)、日本が米国に攻撃されるのを防ぐためであって、べつに世界平和に貢献したいからではない(はっきり言って、現状では、西側先進諸国の景気回復にとっては、世界平和は必要ではない)。
ニコラ・サルコジが大統領になって以降のフランスが、北大西洋条約機構(NATO)の軍事機構に復帰したり(サルコジが大統領就任直後の長期休暇を米国で過ごしたり)、アフガンにおけるフランス軍派兵を維持したりといった「対米追従」政策を採るのも、日本と同じく、米国に敵視されるのがこわいからだろう(小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟〜シリーズ『中朝開戦』(11)」、日経新聞Web版2007年9月20日「仏、NATO完全復帰へ・軍事面、独自路線42年ぶり転換」、日刊ベリタ2008年08月22日「アフガン派兵めぐり揺れるフランス 大統領は継続表明、国民の過半数は撤兵支持」、ロイター日本語版2007年8月12日「ブッシュ米大統領が休暇滞在中のサルコジ仏大統領招いて昼食会、友好関係をアピール」)。
グリーンニューディールで景気回復? 面白い。やれるもんならやってみろ。絶対に失敗するから。
その理由は簡単だ。技術というものは新しければ新しいほど生産性が高く、より少ない労働力でより多くのものを生産できるようにしてしまうからだ。
したがって、「地球にやさしい」新エネルギー技術が開発され普及すると、それによって生み出される新規雇用よりも、それによって駆逐される、「旧技術」を使う職場で失われる雇用(失業)のほうが、必ず多くなるはずなのだ(この問題はいずれ小誌上で別途取り上げる予定)。
2009年現在、不況と失業に苦しむ世界経済にとって必要なのは新技術を創造して新産業を起こすことではない。必要なのは、すでに過剰になってしまった生産力を破壊することなのだ。
ハントが示唆したとおり、オバマ政権にとって真に必要な経済政策は戦争である。しかし、オバマもFDRと同様に「反戦」を掲げて当選したので、そう簡単には、景気回復のための戦争をするわけにはいかない。となると、真珠湾攻撃のような米国領土への奇襲をだれかに仕掛けてもらって、それに対する反撃という形で戦争に打って出る…………というのは、すでにブッシュ現大統領が、2001年9月11日の米中枢同時テロ(9.11)を利用する形で2003年のイラク戦争でやってしまった。同じことを三度やれば、どんなに陰謀論の嫌いな者でも「9.11」は米国の陰謀ではないかと疑うだろう。だから、そんな工作は、もう米国にはできない。
【現時点では、筆者は「9.11は米国の陰謀」という説には賛同していない。】
●オバマの戦争●
オバマは、イラク戦争に対する「反戦」はその開戦前から一貫して主張していたものの、大統領選挙中には「テロとの戦いの主戦場をイラクからアフガンに移す」と表明していた(産経新聞Web版2008年11月7日「オバマ氏、タリバン抑え込み狙うも 情勢悪化のアフガンは『鬼門』」)。おそらく彼は、米軍はもちろん、日仏など同盟国の軍隊もアフガンに集めて「テロとの戦い」をやるだろう。
もちろん、そんな戦争をやっても景気回復にはほとんど役に立たない。アフガンは米国に輸出できるようなものを何も生産していないし、米国産品を輸入できるだけの購買力もないので、そんな国を軍事力でいくら破壊しても、米国の財政赤字が増えるだけだ。
しかし、アフガンはインドの隣国パキスタンと国境を接しているし、イスラム教徒の多く住む中国領、新疆・ウイグル自治区にも近い。そして、インドと中国は、(電気)自動車、航空機、人工衛星の国産化に乗り出していて、これらの分野で米国のライバルになる可能性があるだけでなく、現在米国の数少ない基幹産業の1つであるソフトウェア産業において、米国の王座を脅かす潜在力持っている(両国における数学教育の水準が高いため、インド人と中国人には世界レベルの優秀なコンピュータ技術者が多く、シリコンバレーでは、両国出身の技術者はまとめて「IC」と呼ばれている)。
インドと中国の産業は発展するより破壊されたほうが、米国にとって都合がいいだろうから、インドと中国に対して米国が戦争を仕掛ける…………かというと、そうとも限るまい。
上記の如く、資本主義がリセットされるときの生産力破壊には、米軍が直接手を下す「米日型」「米独型」のほかに、米軍が手を出さない「独英型」「独ソ型」があるのだ。後者の場合、米軍(米国防総省)の役割はおもに、諜報員を使った工作と情報収集に限定される。
たとえば、米国は、テロとの戦いを口実に多国籍軍をアフガンに集結させておいて、そこから工作を仕掛けて、インドとパキスタンを戦わせ、パキスタンが崩壊しそうになったら、アフガンから多国籍軍を出動させてパキスタンを保障占領してインドが勝ちすぎないようにコントロールする、といったことが考えられる(この場合は、アフガンはどうでもいい、ということになり、米国主導のアフガンへの兵力集結は、アメリカンフットボールで言うところの、敵を欺くための「フェイク」となる)。
2008年11月26日にインドのムンバイで起きた「インドの9.11」、イスラム過激派によるムンバイ同時テロ事件は、この印パ戦争への「導火線」と見ることもできる(産経新聞Web版2008年11月27日「インドで同時テロ 330人近く死傷 日本人1人重傷の情報」)。
中国に対しては、たとえば北朝鮮に中国を攻撃させ「中朝戦争」をやらせて中国を大混乱に陥れ、同時に、アフガンから新疆に工作を仕掛けて、新疆のウイグル人イスラム教徒の分離独立運動を煽り、中国を国家分裂に向かわせて、外国から投資の来ない、カントリーリスクの高い三流国に転落させる、というのも有効だろう(「中朝戦争」については小誌2008年3月6日「中朝山岳国境〜シリーズ『中朝開戦』(13)」、同2007年3月1日「脱北者のウソ〜シリーズ『中朝開戦』(2)」ほかを参照)。
こういう場合、米国の目的は戦争そのものではない(単なる「軍需産業の金儲け」が目的なわけでもない)。戦争によって、経済的なライバル国の生産力を破壊し、その戦後復興事業をなるべく自国企業に排他的独占的に受注させ、そこから利益を上げると同時に、ライバル国の国力が回復しすぎないように制御することだ(現に第二次大戦後、米国は日独を占領して両国の戦後復興政策を主導し、日独に対して戦後の復興援助を与えると同時に、両国が核兵器や米国並みの航空宇宙産業を持てないように去勢した)。
他方、中東では、2008年12月27日から、イスラエルが、パレスチナ占領地のガザ地区にあるイスラム原理主義過激派組織ハマスに対して大規模な戦争を仕掛け、ガザ全体を占領しそうな勢いで戦っている(読売新聞Web版2009年1月4日「イスラエル軍がガザ侵攻、ハマス拠点包囲…死者500人超」)。
中東には、インドや中国のような、米国の経済力を将来脅かすような大国はないので、そこで戦争をしてもらってもあまり意味はないだろうが、中東全域に戦火がおよぶ「中東大戦争」に発展すれば、中東原油に依存する日本や中国、インド、韓国などの工業生産を停滞させることもできるので、米国経済の回復にとってぜんぜん意味がないとは言えないだろう。
【インドと中国は、地球温暖化防止のための二酸化炭素(CO2)排出削減義務を負うことに消極的である。そういう義務を負うと、石油や石炭などの化石燃料の消費が抑制され、経済成長が難しくなるからだ(産経新聞Web版2008年9月30日「中国やインドに目標設定義務づけ ポスト京都議定書で日本提案」)。逆に、日米欧の先進諸国が石油、石炭を燃やすことで発生する二酸化炭素(CO2)の排出削減に合意しているのは、この環境問題を口実に使えば、将来経済的ライバルになりうるインド、中国などの新興国の経済成長を抑制し、先進国の優位を守ることができるからだ。
つまり、インドと中国は「これ以上成長するな」という欧米先進諸国の警告を、第二次大戦前の日本のように無視したのだから、戦争を仕掛けられるのは当然だろう。】
印パ戦争、中朝戦争、中東大戦争のうち、どれが実現するのか、あるいは3つとも起きるのかはわからない。しかし、オバマ次期政権にとってもっとも必要なものが戦争であることは間違いなかろう。
もちろん、オバマ政権下の米国は絶対に、イラク戦争を起こしたブッシュ現政権下の米国のような「悪役」にはならない。これもまた、確実だろう。
【小誌が2007年から一貫して「中朝戦争」が(2009年10月から2012年4月までに)起きる可能性を取り上げて来た理由は、まさにこれである(小誌2007年3月8日「戦時統制権の謎〜シリーズ『中朝開戦』(3)」)。小誌は2007年9月の時点で、「[米共和党員であるロバート・M・]ゲーツ[ゲイツ]現[米]国防長官を新大統領(たぶん米民主党員)がそのまま国防長官の座に留めると提案すれば、議会側にはそれに反対する理由はあまりない(から、2009年10月まで待たなくても中朝戦争はありうる)」と述べていたが(小誌2007年9月13日「開戦前倒し?〜シリーズ『中朝開戦』(9)」)、なんと大統領選当選から1か月も経たないうちに、オバマが(筆者の提案どおり?)「ゲーツ続投」を決めたので、筆者は戦慄した(読売新聞Web版2008年11月26日「ゲーツ国防長官、次期政権でも続投へ」)。
同長官留任の理由は、アフガンへの米軍増派など「テロとの戦い」についてオバマと意見が近いからだろう、と言われてはいるものの、理由はともかく、長官が留任する以上、副長官、次官、次官補などの政治任命ポストは一切替わらないはずなのだ。そういう人事や人事の議会承認手続きや事務引き継ぎの問題がないのなら、 中朝国境の河川、鴨緑江(おうりょっこう)の氷が夏、秋を経て凍結する2009年11月まで待たなくても、前年の冬の氷が溶ける前の2009年2〜3月にも早々と、米軍(米国防総省)内には中朝戦争に対処するための陣容が整うことになる。】
【但し、1994年の米朝接近を実現したのは、当時のビル・クリントン米大統領の政権なので、彼に近い人物が政権の一員になって、米国政府が北朝鮮から見て安心できる陣容になるまでは、いくら米国が頼んでも北朝鮮は中国を攻撃しないだろう。オバマが次期国務長官にビル・クリントンの妻のヒラリー・クリントンを指名したのはそういう理由だと考えられる。
だから、ヒラリーが議会承認手続きを経て正式に国務長官に就任するまで(あるいは、就任後、初訪朝するまで)中朝開戦はないだろう(とはいえ、訪朝した直後に開戦すると、世界中から「密約」を疑われる可能性があるので、訪朝と開戦のタイミングを選ぶのはけっこう難しい)。
クリントン政権の国連大使を務め5回の訪朝歴のあるビル・リチャードソン・ニューメキシコ州知事を、オバマが次期商務長官に指名したのは、中朝戦争後の北朝鮮復興援助に米国企業を参加させるためだっただろうが、リチャードソンはスキャンダルを理由に指名を辞退した(日テレニュース24 Web版 2006年12月16日「北朝鮮高官、米ニューメキシコ州知事と会談」、仏AFP 2009年1月5日「オバマ氏指名の商務長官、リチャードソン氏が辞退」)。米国内の中朝戦争反対派(あるいは中国の諜報機関)の巻き返し工作も盛んなようなので、ヒラリーとて国務長官に指名されるまでは油断できまい。】
●3.0から4.0へ●
「資本主義=ネズミ講」説あるいは「(60〜)70年周期説」に従うなら、「資本主義3.0」は2008年9月をもって終わったのであり、2008年9月から、「4.0」へ向けてのリセットが始まったと考えられる。
もちろん、そんな意見は経済学的におかしい、という反論はあるだろう。だから、そういう意見を唱えて筆者と論争して勝ちたい人にはいくらでも勝たせて差し上げよう。
しかし、そんな論争に勝ったところでなんの意味もない。
重要なのは、筆者がどう思っているかではないし、エコノミストがどう思っているかでもない。日米の政財官界の有力者たちが、この説を信じているという事実なのだ。おそらくオバマ政権のブレーンたちも信じているだろう。
だから、この説が経済学的に正しいかどうかはどうでもいい。重要なのは、理論ではなく、次に起こる現実だ。
【小誌記事の内容を紹介するメールマガジン、ホームページ、ブログなどインターネット上の諸媒体は、必ず小誌記事のURLアドレス http://www.akashic-record.com/y2008/ndlie.html#02 にリンクを張って、読者がワンクリックで小誌Web版の当該記事にアクセスできるようにする義務がある。もしも、上記のインターネット上の諸媒体が、小誌記事の内容を紹介しながらリンクを張らずに済ませるならば、それは、自媒体の読者を、自媒体と同等またはそれ以上に魅力的なコンテンツを掲載する他媒体に奪われないように囲い込もうとする卑怯な行為であると言わざるをえない。インターネット上では、読者は、異なる媒体のコンテンツを比較して、より優れたコンテンツに出会う権利があり、この権利は姑息な手段によって制限されてはならない。】
【この記事は純粋な予測であり、期待は一切含まれていない。】
【次回以降も、このテーマを、経済学的、地政学的見地から掘り下げ、米国の覇権が終わらないこと、および、中国が絶対に覇権国家になれないことを、引き続き証明して行く予定。】
【小誌をご購読の大手マスコミの方々のみに申し上げます。この記事の内容に限り「『天使の軍隊』の小説家・佐々木敏によると…」などの説明を付けさえすれば、御紙上、貴番組中で自由に引用して頂いて結構です。ただし、ブログ、その他ホームページやメールマガジンによる無断転載は一切認めません(が、リンクは自由です)。】
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【2007年4月の『天使の軍隊』発売以降の小誌の政治関係の記事はすべて、読者の皆様に『天使』をお読み頂いているという前提で執筆されている(が、『天使』は中朝戦争をメインテーマとせず、あくまで背景として描いた小説であり、小説と小誌は基本的には関係がない)。】
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