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“公家大河”失敗

〜シリーズ「大河ドラママーケティング」(1)〜

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Originally written: Dec. 25, 2012(web版)
Second update: Dec. 31, 2012(mail版)(“公家大河”失敗:週刊アカシックレコード121231)

【小誌2009年8月13日「ウィキノミクスの虚構〜シリーズ『失業革命』(5)」は → こちら
【小誌2009年8月27日「寄生虫の論理〜ネット『無料』文化の罪〜シリーズ『失業革命』(6)」は → こちら
【小誌2010年2月22日「浅田真央vs.韓国TV〜シリーズ『バンクーバー五輪』(2)」は → こちら
【小誌2010年11月2日「金正恩の戦争〜続・怯えるロシア〜シリーズ『中朝開戦』(14)」は → こちら
【小誌2011年1月7日「屈辱の世界史年表〜続・劣等感共同体〜『肯定されたい症候群』(7)」は → こちら
【小誌2011年3月1日「韓国と台湾の違い〜シリーズ『肯定されたい症候群』(9)」は → こちら
【小誌2011年12月5日「嫉妬する韓流〜続・嫉妬の法則〜シリーズ『自己評価維持』(2)」は → こちら
【小誌2012年2月24日「続・超攻撃的ジジイ〜シリーズ『脳の保守化バイアス』(2)」は → こちら
【小誌2012年7月9日「TPP不等式〜続・売国奴対策としてのTPP〜シリーズ『TPP地政学』(2)」は → こちら
【前回、小誌2012年11月26日「争点消滅の宿命〜首相選択選挙〜シリーズ『2012年衆議院議員総選挙』(2)」は → こちら

■“公家大河”失敗〜シリーズ「大河ドラママーケティング」(1)■
政党得票率も番組視聴率も、社会心理学上の現象を示す指標である。
前回述べたように、「選挙において有権者は、政党や政治家が掲げる政策争点(公約)に基づいて支持/不支持を決め、投票するはずだ」というのは、学者やジャーナリストの思い込みにすぎず、実際の衆議院議員総選挙などではそのような投票行動は、日本人の“まじめさ”に起因する「奇妙な心理学上のメカニズム」のせいで、ほとんど起きない(「郵政選挙」でさえ、真の争点は「郵政」ではなかった)。
消費者(有権者、視聴者)がタテマエでなくホンネで何を欲しているかを見極めることを、ビジネス界ではマーケティングと呼ぶが、それが必要なことは政界でもマスコミ界でも同じである。
脚本家、藤本有紀は『ちりとてちん』(2007〜2008年)でNHK朝ドラ史上最低の番組全回平均視聴率(当時)を記録したあと、『平清盛』(2012年)でも同じくNHK大河ドラマ史上最低を記録した(NHKが時代考証に基づきセリフで天皇家を「王家」と表現したことに一部視聴者が反発したことが低視聴率の原因だとする説があるが、心理統計学的に見て間違いである)。
『平清盛』大不振の理由は、藤本が前回(朝ドラ)の失敗から何も学ばず、マーケティングを拒絶した結果と言わざるを得ない。
実は、大河ドラマの視聴者は単に「面白いドラマ(時代劇)を見たがっている人々」ではない。では、どのような人々なのか(2012年12月31日頃配信予定)。

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東日本大震災の被災者の方々には衷心よりお見舞いを申し上げます。

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かつて、NHK局内でだれも見抜けなかった 『ちりとてちん』の視聴率低下の原因 を見抜いた筆者が言うのだから、間違いありません。

なぜ「王家」というセリフが視聴率低下の原因でないと言えるのか。
『平清盛』の視聴率が「史上最低」になった理由はなんなのか。
「『平清盛』各回視聴率一覧」をよく見て、考えてみて下さい。

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NHK大河ドラマ『平清盛』(2012年)各回(番組平均世帯)視聴率一覧
放送日 エピソードタイトル 演出 視聴率
第一回 Y01月08日 ふたりの父 柴田岳志 17.3%
第二回 Y01月15日 無頼の高平太 17.8%
第三回 Y01月22日 源平の御曹司 渡辺一貴 17.2%
第四回 Y01月29日 殿上の闇討ち 17.5%
第五回 Y02月05日 海賊討伐 柴田岳志 16.0%
第六回 Y02月12日 西海の海賊王 13.3%
第七回 Y02月19日 光らない君 渡辺一貴 14.4%
第八回 Y02月26日 宋銭と内大臣 15.0%
第九回 Y03月04日 ふたりのはみだし者 中島由貴 13.4%
第十回 Y03月11日 義清[のりきよ]散る 14.7%
第十一回 Y03月18日 もののけの涙 渡辺一貴 13.2%
第十二回 Y03月25日 宿命の再会 12.6%
第十三回 Y04月01日 祇園闘乱事件 中島由貴 11.3%
第十四回 Y04月08日 家盛決起 13.7%
第十五回 Y04月15日 嵐の中の一門 柴田岳志 12.7%
第十六回 Y04月22日 さらば父上 渡辺一貴 11.3%
第十七回 Y04月29日 平氏の棟梁 中島由貴 13.9%
第十八回 Y05月06日 誕生、後白河帝 柴田岳志 13.5%
第十九回 Y05月13日 鳥羽院の遺言 渡辺一貴 14.7%
第二十回 Y05月20日 前夜の決断 佐々木善春 11.8%
第二十一回 Y05月27日 保元の乱 中島由貴 10.2%
第二十二回 Y06月03日 勝利の代償 柴田岳志 11.0%
第二十三回 Y06月10日 叔父を斬る 渡辺一貴 11.6%
第二十四回 Y06月17日 清盛の大一番 佐々木善春 12.1%
第二十五回 Y06月24日 見果てぬ夢 柴田岳志 10.1%
第二十六回 Y07月01日 平治の乱 渡辺一貴 13.2%
第二十七回 Y07月08日 宿命の対決 11.7%
第二十八回 Y07月15日 友の子、友の妻 柴田岳志 11.2%
第二十九回 Y07月22日 滋子の婚礼 中島由貴 10.7%
第三十回 Y07月29日 平家納経 11.4%
第三十一回 Y08月05日 伊豆の流人 柴田岳志 7.8%
第三十二回 Y08月19日 百日の太政大臣 渡辺一貴 10.7%
第三十三回 Y08月26日 清盛、五十の宴 中島由貴 9.3%
第三十四回 Y09月02日 白河院の伝言 柴田岳志 11.1%
第三十五回 Y09月09日 わが都、福原 渡辺一貴 10.5%
第三十六回 Y09月16日 巨人の影 中島由貴 10.1%
第三十七回 Y09月23日 殿下乗合事件 橋爪紳一朗 10.5%
第三十八回 Y09月30日 平家にあらずんば人にあらず 渡辺一貴 14.3%
第三十九回 Y10月07日 兎丸無念 柴田岳志 9.7%
第四十回 Y10月14日 はかなき歌 中島由貴 9.6%
第四十一回 Y10月21日 賽[さい]の目の行方 佐々木善春 7.9%
第四十二回 Y10月28日 鹿ヶ谷[ししがたに]の陰謀 渡辺一貴 8.9%
第四十三回 Y11月04日 忠と孝のはざまで 柴田岳志 10.2%
第四十四回 Y11月11日 そこからの眺め 中島由貴 10.4%
第四十五回 Y11月18日 以仁[もちひと]王の令旨[りょうじ] 渡辺一貴 7.3%
第四十六回 Y11月25日 頼朝挙兵 柴田岳志 10.3%
第四十七回 Y12月02日 宿命の敗北 中島由貴 10.8%
第四十八回 Y12月09日 幻の都 中野亮平 10.4%
第四十九回 Y12月16日 双六[すごろく]が終わるとき 渡辺一貴 9.2%
最終回 Y12月23日 遊びをせんとや生まれけむ 柴田岳志 9.5%

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本稿の「視聴率」はすべて、ビデオリサーチ調べ、関東地区の世帯視聴率。
地上波放送の本放送のみで、再放送、衛星放送、ワンセグ放送、録画視聴は含まない。
モニター世帯で分単位で計測される視聴率を番組全体で合計し、番組全体の分数(ふんすう)で割った値が、単独回(話)の番組平均世帯視聴率。同様の計算を全回(全話)について行ったものが、その番組の「期間平均視聴率」だが、本稿では「全回(全話)平均視聴率」と呼んでいる。
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 (敬称略)

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