韓国の

イメージ危機管理

 

〜米バージニア工科大

 銃乱射事件

 

(April 23, 2007)

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■韓国のイメージ危機管理〜米バージニア工科大銃乱射事件■

 

2007年4月に起きた米バージニア工科大銃乱射事件では、犯人が韓国籍であると報道される前から、韓国政府は「安全保障上の問題」ととらえ、盧武鉉大統領自ら事実上謝罪した。が、直後に長崎市長暗殺事件が起きて在日韓国人の関心は分散し、彼らの「一斉帰化」は回避された。

 

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■韓国のイメージ危機管理〜米バージニア工科大銃乱射事件■

 

【前回「国連事務総長の謎〜シリーズ『中朝開戦』(4)」は → こちら

 

韓国では、履歴書に貼る写真を徹底的に修整したり美容形成(整形)手術をしたりして自分の素顔を偽ることを「イメージ管理」というが(中岡龍馬『韓国人につけるクスリ』オークラ出版2005年刊)、以下は「イメージ危機管理」とでもいうべき事例である。

 

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●関心が分散●

米バージニア工科大学で、現地時間2007年4月16日午前7時(日本時間16日午後8時)過ぎに銃乱射事件が発生し、犯人1人を含む計33人が死亡した(時事通信4月17日7時0分「大学銃乱射、犯人含め死者33人に:構内2カ所で惨劇 - 米バージニア州」。以下、報道各社の配信時刻は特記なき場合は日本時間)。

 

日本での第一報(毎日新聞Web版17日1時40分「米国:バージニア工科大で発砲 21人死亡、21人負傷」)の段階では犯人の国籍は不明だった。

 

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その後、犯人は中国人という誤報が米シカゴ・サン・タイムズ紙Web版(現地時間16日付)に載り(時事通信17日11時0分「『中国人学生の疑い』で捜査:昨年に入国 - 大学乱射・米紙」)、誤報を真に受けたのか、中国の李肇星外相がライス米国務長官に見舞いの電報を打った頃(時事通信17日21時2分「米に見舞電:中国外相 - 米大学乱射」)、日本で伊藤一長・長崎市長銃撃事件が発生した(毎日新聞Web版17日20時26分「長崎市長:銃撃され心肺停止、組幹部を逮捕 選挙事務所前」)。

 

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やがて、銃乱射事件の犯人(容疑者)は同大学在籍の韓国籍の学生チョ・スンヒと判明したが(毎日新聞Web版17日23時1分「米大学乱射:容疑者は同大在籍の韓国出身学生」、同17日23時24分「米大学乱射:チョ・スンフィ容疑者の動機解明に苦慮」)、市長銃撃(暗殺)事件があったため、翌18日の日本の朝刊各紙のトップ記事は暗殺事件となり、韓国人による米国史上最悪の銃乱射事件(32人殺害)のみに日本人や在日韓国人の関心が集中する事態は回避された(韓国では当然、韓国人の事件が主要紙のトップ。毎日新聞Web版18日12時23分「米大学乱射:韓国にも強い衝撃 主要紙は1面トップ」)。

 

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●奇妙な謝罪●

バージニア工科大銃乱射事件の発生直後(日本時間2007年4月17日午後6時50分頃)、犯人が韓国籍と報道されない段階で、なぜか韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は米国民に向けて哀悼の意を表明した(聯合ニュース2007年4月18日7時58分「『銃乱射犯は韓国人』で衝撃、盧大統領が哀悼の意」)。

 

理由は韓国の情報(諜報)活動だ。韓国外交通商部(外務省)は、事件発生直後の日本時間17日の段階で「容疑者が韓国人である可能性が高い」ことを把握し、宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官(外相)から白鍾天(ペク・ジョンチョン)大統領府安全保障室長に報告した。これを踏まえて、青瓦台(大統領府)は17日午後6時50分頃、盧武鉉大統領名で、まるで「先手」を打つかのように米国民向けの哀悼の意(事実上の謝罪)を表明したのだ(聯合ニュース前掲記事)。

 

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●なぜ安全保障?●

政府が国家のイメージを悪化させないように気を配ることはどこの国でもある。だから、韓国外相が銃乱射事件の情報収集に動いたのは当然だ。しかし、なぜ安全保障室、つまり国家の危機管理を司り、情報(諜報)機関と連携する部署に報告する必要があるのか。

 

米国人個人が外国人相手に凶悪犯罪を犯しても、それは犯行現場となった国の治安の問題にすぎず、国防長官やCIA長官から成る米国家安全保障会議(NSC)は開かれない。日本人が同様のことをしても、やはり「内閣安全保障・危機管理室」は動かない。が、不思議なことに韓国では、単なるイメージの問題が、国家安全保障上の問題、つまり、国家の存立にかかわる問題なのだ。

 

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●国家の存立●

「人生いろいろ。会社もいろいろ」(2004年6月の、当時の小泉純一郎首相の国会答弁)。

 

本田宗一郎やスティーブ・ジョブズのようなカリスマ的経営者が理想と情熱をもって創業した、りっぱな社史を持つ、本田技研やアップルコンピュータのような会社もあれば、大手企業の出資で、親会社のリストラや税金対策のために分社化されてできたような、つまらない歴史しかない会社もある。

 

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国家も同様である。ジョージ・ワシントンやマハトマ・ガンジーのようなカリスマ的「創業者」の理想と情熱で生まれた、米国やインドのような、りっぱな建国の理由を持つ国もあれば、宗主国による植民地の切り離しなど、単なるリストラで生まれた、あまり建国すべき理由のない国もある。

 

1945年、第二次大戦で日本が米国に敗れて占領されると、米国は日本を弱体化するため、朝鮮(韓国)などの植民地を日本から「分社化」すると決めた。が、朝鮮(韓国)人の独立運動は極めて貧弱で、彼らは、国土をドイツに占領されたあとのフランスのように、明確な「臨時政府」を結成して第二次大戦に参戦することもなかたっため、戦後、韓国は戦勝国のうちにははいらなかった。

 

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つまるところ、大韓民国の建国は、大日本帝国の「分割民営化」の結果である。偉大な指導者のもとで情熱的な民族独立運動を展開したわけでもない韓国(朝鮮)人は、1948年前後の韓国建国直後の時点で、もし日本を占領した米軍から「日本と韓国と、どっちの国籍を選ぶか」と聞かれれば「日本」と答えるに決まっていた。

 

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そりゃそうだろう。

韓国(朝鮮)人は1948年まで一度も近代国家を運営したことがなく、大学も鉄道も郵便局も作ったことがなく、日本に併合されるまでは国語教育すらしていなかったのだから。できたばかりで、まだ海のものとも山のものともわからない、つまり、国家として存続できるかどうかわからない韓国の国籍など選びたいはずがない。いまでも釜山(プサン)に行って戦前生まれの人に聞けば「この街は、階段も港もみんな(戦前の)日本人が造った」と言うのだから(2006年12月20日放送のNHK『世界ふれあい街歩き:プサン 〜韓国〜』)。

 

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しかし、それでは、大韓民国建国の理由はなくなってしまう。

1947年、米軍占領下にあった日本本土で外国人登録令が公布され、本土にいた朝鮮半島出身者は「みなし外国人」とされた。これは、国籍は日本だが、外国人登録の国籍欄は「朝鮮」(植民地朝鮮の意)という扱いだ。

 

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【この史実を指して、「われわれは日本によって日本国籍を奪われた」「ここから差別が始まった」などと主張し、日本人に「土下座」をさせようとする在日韓国(朝鮮)人が少なくないが、言いがかりも大概にしてもらいたい。この時点で日本には主権はなく、すべては米占領当局(GHQ)の意志で行われたのだから、犯人は米国だ。】

 

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1950年には朝鮮戦争が勃発し、一時的に北朝鮮軍に韓国領土のほぼすべてが占領され破壊されたこともあって、当時日本本土にいた韓国(朝鮮)人はますます「日本人でいたい」という思いを強くしたはずだ。が、彼らが自分の気持ちに素直に従って日本国籍の再取得(日本への帰化)に動けば、韓国の建国は挫折してしまう。「日本にいる親戚がみんな日本国籍を取り直したらしい」という噂が韓国に広まれば、少なからぬ韓国人は(かつて植民地時代にそうしたように)自らの意志で、安定した職や暮らしを求めて日本に逃げ出し、日本人になろうとするだろう。

 

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しかし、それでは米国は困るのだ。当時の米国は、ソ連と中華人民共和国という、2大共産主義(社会主義)国家と対立していた。とくに中ソが、1948年に建国した北朝鮮を尖兵にして1950年に韓国を侵略し、日本にまで脅威を与えかねない行動をとったことは、極東における米国の勢力圏を奪いかねない深刻なものだった。

 

だから、米国は「みなし外国人」が日本国籍を再取得することを認めなかった。逆に、韓国政府が彼らの国籍を横取りする目的でGHQに訴えて来た「希望者には外国人登録の国籍欄を朝鮮から韓国に変えることを認めてほしい」という陳情を受け入れ、1950年に制度を改正した。1952年、日本が米国を含む第二次大戦の戦勝国との間で結んだサンフランシスコ講和条約が発効して主権を回復し独立国に戻ると、外国人登録令は外国人登録法に改正され、在日韓国(朝鮮)人は日本国籍を完全に失い、韓国籍か朝鮮籍を選択させられることになり、「特別永住者」となった。

 

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【この当時からこんにちまで残存している「朝鮮籍」は北朝鮮とは無関係であり、一種の無国籍者である(在日韓国人のなかには北朝鮮支持派はほとんどいないが、在日朝鮮人のなかには韓国支持派もいる)。但し、北朝鮮政府は在日朝鮮人を韓国人でないという理由で、北朝鮮の国会議員にすることもある(そういう場合は、無国籍ではない)。】

 

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この瞬間、在日韓国(朝鮮)人の「不幸神話」が始まった:

 

「韓国(朝鮮)人は朝鮮半島でりっぱな国家を営んでいたが、日本にむりやり侵略されて植民地にされ、多くの者が日本国籍を押し付けられて強制連行によって日本本土に渡り、第二次大戦後は一転してむりやり日本国籍を奪われ、国籍がないがゆえのさまざまな差別を受けたが、民族の誇りがあるので、その子孫も、在日二世、三世になっても、日本に帰化せず、韓国(朝鮮)籍を捨てずに差別に耐えてがんばっている……」

 

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がんばっていてくれないと、「在韓国人」が大勢日本に移民してしまいそうで困るので、むりやり「在日」にがんばらせている、というのが真相なのだが、彼らの事情やホンネをよく知らない「日系日本人」は、在日韓国(朝鮮)人が日本で経験する人権侵害はすべて「日本人による差別」だろうと思い込み、彼らにこの点ですごまれると条件反射的に頭を下げる。

 

しかし、その手は筆者には通じない。

 

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【そもそも「強制連行」というのがかなり怪しい。べつに強制連行などしなくとも、一般に植民地住民は職や豊かさを求めて宗主国に移住したがるものだからだ(小誌2003年3月27日「在米イスラム人口の急増〜イラク戦争の深層」)。かつての英国と英領インド、フランスと仏領アルジェリアの関係を見れば明らかなように、植民地住民は宗主国で差別されると知っていても必ず大挙して宗主国に移住する(来るなと言っても来る)。帝国大学など日本本土の大学の、戦前の卒業生名簿には朝鮮半島出身者の名前が多々あるが、まさか彼らは強制的に大学入試を受けさせられたわけではあるまい。】

 

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筆者は、複数の在日韓国(朝鮮)人と一緒に仕事をしたこともあるのでよくわかるのだが、彼らの大半はホンネでは日本に帰化したがっている。それができないのは、在日同胞同士の相互監視などによる有形無形の「帰化妨害」があったからだ。実は、彼らにとって最大の人権問題は、日本人からの差別ではなく、この帰化妨害なのだ。

 

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【日本の総人口に占める比率が1%もない在日韓国(朝鮮)人を代表する(?)文化人が、1%をはるかに超える頻度で日本のマスコミに登場し、日本国籍がないことを誇示するかのように振る舞うのも、「帰化妨害のマインドコントロール版」として機能している。】

 

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